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一般的なポピュラー音楽はメロディー、リズム、コードの三つが合わさってできています。
メロディとリズムは説明されなくてもなんとなく分かる、という人が多いと思いますが、コードというものは初耳という人も多いでしょう。
コードは複数の高さの音を同時に弾いたときの響きのことです。主に曲の雰囲気に関わってきます。
パッと思いついた流行歌を鼻歌で歌うとき、その鼻歌はメロディを一定のリズムの下でなぞることになりますね。
この例えの場合、コードは鼻歌では表現の出来ない伴奏というのが一番近いと思います。
あるメロディに様々な伴奏をつけてみます。
かなり印象が変わってくることが分かるでしょうか。
メロディだけでも曲としては成立していると感じた方も居るでしょうが、コードはメロディの表したいものをより引き出してくれます。
また、メロディが浮かばないという人もコードを参考にしてメロディを作ることが出来ます。初心者のうちはメロディにコードをあてるよりもコードからメロディを作る方が楽です。
初歩的なコードは白鍵を一つ飛ばしに弾けば作れます。
ピアノロールに打ち込むとこういう感じですね。
どうして一つ飛ばしに白鍵を弾いたときに綺麗な響きになるのかというと、一つ飛ばしに白鍵を弾いたときに綺麗な響きになるように、鍵盤を叩くと出る音が決まっているからです。
コードについて考える前に、この鍵盤から出る音がどのように決まっているのかを考えていきたいと思います。
前提として、音は空気の振動です。音の高さはその振動数で決まっています。
で、二つの音を同時に鳴らしたとき、振動数の比率がシンプルな場合は調和した美しい響きになります。
330Hzの音と440Hzの音と550Hzの音を同時に鳴らしてみます。(Hzは一秒間に何回振動するかという意味です)
※ご利用のブラウザでは再生することができません。
この理屈に則って、528Hzの音と美しく響き合う音をいくつか集めて大きさ順に並べてみるとこんな感じになります。
高 |
C |
1:2 |
1056Hz |
↑ |
B |
8:15 |
990Hz |
│ |
A |
3:5 |
880Hz |
│ |
G |
2:3 |
792Hz |
│ |
F |
3:4 |
704Hz |
│ |
E |
4:5 |
660Hz |
↓ |
D |
8:9 |
594Hz |
低 |
C |
1:1 |
528Hz |
※ご利用のブラウザでは再生することができません。
これが現在のドレミファソラシド、つまり白鍵七つの原型になっています。ちょっと問題もあるのでこれがそのまま使われているわけではありませんが、関係性は概ね保っています。
ここには八つ書いてありますが、基準の音の倍の振動数を持つ音は何故か同じ音に聞こえるので七音です。こういうことですね。
鍵盤の1ループ(上の図の赤い矢印の範囲)を1オクターブと呼びます。528HzのCに対して1056HzのCは1オクターブ上のCというわけです。
この鍵盤をCから一つ飛ばし、つまりCとEとGの音を弾くと528Hzと660Hzと792Hzの音が同時に鳴ることになります。
この数字の比は4:5:6という簡単な比になります。つまり綺麗な響きです。一つ飛ばしの三つの鍵盤から出る音の周波数の比が4:5:6になる組み合わせはあと二つあります。F(704Hz)とA(880Hz)とC(1056Hz)と、G(792Hz)とB(990Hz)と1オクターブ上のD(1188Hz)です。
これら三つのコードが最も基本的なコードです。
今紹介した基本的な三つのコードを使って曲を書いてみます。いちいち構成音を書き連ねるのは面倒なので、一つ飛ばしになるように引いたときに一番下に来る音を基準に名前をつけましょうか。ここからはCEGの三音を使ったコードをC、FACのコードをF、GBDのコードをGと呼びます。
コードを八つ並べてみましょう。コードを演奏する音符の長さは4拍、すなわち一小節です。
上の画像では下からEGCの順に並んでいますが、これもCのコードです。CとEとGが使われているならCのコードです。順番を入れ替えても問題ありません。
とはいえCのコードならばCの音が一番下にあったほうが自然なので、他の音よりもずっと下にCの音をルート音として置いておくと自然でしょう。
というわけでコードを八個並べてみました。CFCGCFGCです。
Gの後にCを置くと自然な感じになりますし、最後の一つはCにするとストンと終わってくれます。この二つを指標にすれば不自然な並び順にはならないです。
極端な話、Cを八個並べても理論的には間違いではないです。
実際に聴いてみると物凄く退屈な印象になるのであんまりオススメはしませんが、メロディでどうにかなったりしますから。
今回はひとまずここで終わりです。
メロディ作りは次回。
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